『虹の女神』レビュー撰2


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エンドロールで涙が止まらなくなる。。。 2007/12/8
By 月夜の願い (大阪府)

最後の最後まで淡々と日常を重ねて描かれているのに・・。
ラストのたった数分間で、堪らなくなるほど心を揺さぶられてしまいました。
エンドロールと共に流れる種とも子さんの歌の言葉が切なさを増し、もう止まらない涙、涙・・でした。
この感動は、本当に思いもよりませんでした。

淡々と描かれている日常の中の役者達の演技は、みなさんめちゃくちゃステキです。
演じていると思えない。
演技の上手さもあるでしょうが、画面に溢れる光の加減とかカット割とかの効果が凄く大きいと思います。
大事な場面では、人物の目線に見えるものが映し出されていた気がします。
台詞の一つ一つも、わざわざ説明するような言葉は一切無く、全てがとても自然。
上野樹里ちゃんの仕草や言葉使いから、私もずっと前に感じた事のある片想いのくすぐったさが伝わります。
市原君の、優柔不断な演技は腹立たしく思えながらも、気持ちは判るな〜って共感できます。
そして、スパイス的役割の蒼井優ちゃんと佐々木蔵之介さん。
役者さんを観るにも、文句無く素晴らしい。

熊澤監督の「ニライカナイからの手紙」でも号泣でしたが、コチラも終わってみれば止まらない涙でした。

映画が好きで、失った恋の切なさが判る人なら、きっと感動すると思います。


こんなにも 2007/10/31
By 映画好きな方

こんなにも主役の二人を愛おしいと思った青春映画は他にないです。個人的には高校生の頃に映画館で観た岩井俊二の「Love Letter」よりも好きな作品。描写が丁寧で、昨今の邦画にみられる過大広告のやらしさ、あざとさが皆無で、青春の爽やかさ、美しさ、切なさが心地良くリアルな距離感、撮り方で表現されています。熊澤尚人監督、俳優上野樹里・市原隼人・蒼井優他スタッフ・キャストの代表作に間違いなくなるでしょう。「最近の邦画はな〜」と思っている方は是非。そしてやはり、岩井俊二は天才としか言いようがないと思ってしまうのでした。本当にお薦めです。


監督、脚本、俳優、音楽、映像の素晴らしいシナジー 2007/10/20
By 荒崎の夕凪 (神奈川県横須賀市)

 岸田智也(市原隼人)は映像製作会社の新人AD。会社の同僚で大学の同期であった佐藤あおい(上野樹里)の訃報を受けた智也は、葬儀のためにあおいの実家に行くことに。そこで、智也はあおいと過ごした時間を回想する。それは、今は亡きあおいの気持ちが鮮やかに甦るものだった。

 恋愛と友情の微細な距離感や心の機微を、大切な人の喪失の儚さと切なさを描いた青春恋愛物語。青春・恋愛の大家『Love Letter』の岩井俊二プロデュース。監督は『ニライカナイの手紙』の熊澤尚人。

 上野樹里、市原隼人、蒼井優をはじめ役者陣の精緻でありながらタフなメリハリのある演技は見とれてしまう。とくに、エンドロールを飾る上野樹里はまさに“虹の女神”の化身。くわえて、登場人物が他者の内面を浮き彫りにする計算された相関構図、敬語と「タメ語」やキミ、オマエ、名前など呼称によって、智也とあおいの距離感をリアリスティックに表出した脚本、ユーモア演出、情感に染み入る音楽、色彩豊かな映像美とカメラワーク、これらの製作者サイドの才気みなぎるシナジーによって破格な青春恋愛物語に仕上がっている。視覚と意味の広がりのある本作品は、解釈の侵食や飽きに抗いうる名作となるだろう。


悲しいまでの繊細さで丁寧に作りこまれた名作 2007/4/20
By 上野樹里さんのファン (東京都)

昨年見た映画のなかでは最高の一篇だったと思います。単純といえば単純な物語なのに、多くのことを考えたり、妙なところで自分自身と心通わせるものに驚かされたりして、ついつい四回も映画館へ足を運んでしまいました。
なんといっても上野樹里さんの演技が素晴らしい。このヒロインの素直な映画にかける夢と情熱、「大人」としての「夢」への不安。身近なところにいる智也との、微妙な距離感を乗り越えられない不器用さともどかしさ。そんな複雑で繊細、そして「あおい」という一人のヒロインの切なく、多層的な感情をほんとうに丁寧に作り込んで、静かな感動を与える力量の凄さにはただただ脱帽!そんなすべてが「夢に向かって進む」などという陳腐な言葉には言い尽くせない深くて、豊かなニュアンスを醸し出しています。とくに、智也と取材で言ったクイックデート・カフェからの帰り道、智也の鈍感なうえにも、これまた不器用で偽悪的で気まぐれ、且つ間の悪いプロポーズの言葉に激しく泣き出して感情を爆発させるシーンの悲しさ、それに続く会社の屋上での二人のやりとりのやりきれない切なさなど、ほんとうに引き込まれてしまいました。二十歳にして、天真爛漫で破天荒な「のだめ」から、このしっとりして神経の行き届いた繊細な大人の演技まで、幅広く役柄をこなす上野樹里さんの努力と才能にはひたらすら頭が下がるとしか言えません。多くの方にご覧頂きたい、お勧めの一篇です


よかったよ。2007/7/11
By 野原ひろし (埼玉県春日部市)

 何度か観て、本当は智也(市原隼人)もあおい(上野樹里)が好きだったのじゃないかと思いました。でもふたりの間の距離感は微妙で、何かと手助けしてもらっているあおいに、智也が面と向かって求婚することは 難しく、それで半端で不誠実な求婚をするはめになってしまったのでしょうね。
 ふたりが十年後はどうしているだろうと自問し合っている場面がありました。十年後、それは間違いなくオジさん、オバさんになり、恐らくはそれぞれ、子育てに追われる生活を過ごしていたことでしょう。そしてその時振り返ると、この時本音で語り合えたこと、そしてそれでも互いの心が通じ合えなかったことの両方が、とてもかけがえのないものとして思い出されたはずなのですが・・・・。
 題名にある虹のように、誰にでもある人生の一瞬の輝きをみずみずしい感性で綴って、余韻がさまざまな想像を誘うとても素敵な映画です。

自分の心の底に眠っていた大切な何かに気づかされる作品 2007/4/24
By まこっち (都内南の方)

最初に映画館で観た時にリアルな喪失感に襲われたことを覚えてる。身体の一部をなくしたような、
心のどこかが千切れてなくなったような切ない感じ。無駄に時間を過ごしてしまったことへの後悔。
智也とあおいと自分の距離が数センチの近さであまりにリアルに感じられたからなのかもしれない。
自分の心の底に眠っていた大切な何かに気づかされる作品だった。

あれから半年、もう一度DVDで作品を観てみた。劇的なエンディングを引き出すために計算されつくしたシナリオはない。あおい達が作った自主映画も、残された智也の生き方も、洗練されていない歪な感じがする。リアルさを生み出している役者の演技があっての話だが、この作品の凄さは、スクリーンとの区別を忘れる程の空気感と距離感への真摯な演出だと改めて思う。

もう一度観て驚いたのが、智也の中のあおいの存在の大きさだ。優柔不断で不器用で鈍感な智也に対して、苛立ちさえ覚えた初回とは違って、智也の中で無意識に生きている「あおい」に気付かされることが多くあった。退屈にさえ思えた千鶴との同棲のシーンの中にも、智也の心に見え隠れする「あおいの存在」を感じることができた。それを成立させている市原隼人と上野樹里の言葉を超えた演技には感動する。

原作者の意図とは違うかも知れないが、自分はこの喪失感の正体を「身近な人の死」ではなく「行き場の無くなった相手への想い」なのだと思っている。「あおいの死」はあおい以外の誰にとっても実はリアルなものではない。残された手紙や言葉がそこで止まってしまったことで初めて実感できる類のものだ。その想いを伝える術も機会も虹の彼方に消えてしまったことでやっと自分の中の想いに気がつくのかもかもしれない・・。

この作品の透明な空気感の中であおい達と時間を駆け抜けて、時には今の自分の想いと向き合ってみてはどうだろう。

映画的時間に浸りきれる美しい作品 2007/4/28
By ファルスタプー (福岡県)

熊沢尚人監督の映画への愛が滲み出た傑作だと思います。勿論、上野樹里と蒼井優のこれ以上無いくらい繊細な演技も素晴らしい。映画的時間の中で生まれ得るしっとりとした情感が見事に掬い取られ作品に昇華しています。この辺りの監督の才能は”ニライカナイからの手紙”でも既に証明済みではありますが、改めて流石と感じました。岩井俊二監督も洋画邦画問わず、それを超えた自分の映画というものを大きなスケールで表出しますが、岩井プロデュースの当作品での熊沢監督もまた、彼だけの世界を組曲のようなこの作品で心の襞をなぞるように見事に描ききっています。映画的な時間に浸りきりたい方には絶対にお勧めです。


細かく丁寧に作られた作品 2007/6/9
By コショリン

感動しました。切ないですね。

丁寧に作られている作品です。
撮り方が非常に好きです。
カメラワーク、アングル、撮影方法など非常に雰囲気が出ているように思います。

製作者の力を感じました。

上野樹里、蒼井優の演技は素晴らしかったです。

ではなぜこの映画はそれほど有名じゃないんでしょうか?

と言うのが疑問です。分かりやすい作品ですし、万人受けする内容だと思います。
まだ観ていない人は観るといいですよ。

10点中9点!!映画学校の教材に適した作品にも感じました。


こんなに不器用でみっともなくて、でも切なくて愛おしい“愛の告白”は滅多にない。秀作。 2007/6/15
By hide-bon (名古屋市)

いいなぁ、この映画。観終った後、こんなに余韻を残す恋愛映画は久しぶりだ。 
透明感ある繊細さと脆弱さと沈痛さに溢れていながら、それでいて、何ともユーモラスなリズムと、妙に日常的でリアルなセリフ廻しの見事な融合。
文学的なチャプターで綴られた中、明らかに意識しているであろう岩井俊二「LOVE LETTER」への類似性と思い入れの深さ。
“一万円札のリング”をはめ込むふたりを捉えたカメラが足元から地面にパンすると水溜りに虹が写っているシーンや、屋根の上でふたりがただ佇むシーン等での、まるで映画青年が撮ったかのような良い意味で気恥ずかしくなる映画愛に溢れた映像テクニックの懐かしさ。
上野樹里&市原隼人の主演ふたりの、出会いと再会から始まる各パートでの思わず微笑んでしまいたくなるようなその掛け合いの楽しさと、出番は少ないものの、蒼井優の相変わらずのその演技の暖かさ。
どれも魅力的だ。
そして、映画の中盤「失恋」のチャプターで語られる智也とあおいの“互いの気持ちを素直に出せない”ふたりの“愛”の告白と言ったら、、、。本当に、こんなにも不器用でみっともなくて、でも切なくて愛おしい告白シーンは滅多にない。
他のレビュアーの方も述べられている通り、主演ふたりの名演と共に、もっと話題、評価されて良い秀作。

映画を愛するひとのための映画。。。秀作です 2007/7/6
By ちゃんどの

ていねいに、本当に、ていねいに作られた映画です。なつかしいキャンパスの光景、映画研究部の部室、そしてぎこちなくて不器用な若者たちの恋。。。

「不完全な若者たちの、不完全な愛の物語」。。。そしてまるで映画を愛するひとのためにつくられたような映画です。ここ何年かでもっともすぐれた、秀逸な青春映画、とおもいます。

死んでしまうヒロインがとった劇中劇ならぬ映画中映画の”The end of the world ”が重要なパートをしめてきます。このいかにも映画を愛する学生たちが渾身の情熱でつくったような小作品と、そのテーマ音楽のホルストの惑星が、せつなく、しみじみと、叙情感をもって、みるものの心をゆさぶり、そして感動的に、迫ってきます。

映画好きのひとにいちどは見てほしい映画です。わたしたちが日常何気なく出会うひとたちとの偶然さのもつ完璧さを深く考えさせられました。しみじみと、感動しました。

市原隼人さん, 上野樹里さん,ともにベストの熱演!です。蒼井優さんが演じる、ヒロインの、盲目の妹さんは重要なポジションを占めるアクセントになっています。3人ともおみごとです。

06年の日本映画は佳作が多いが、唯一、「虹の女神」だけを5回繰り返してみた。毎回、すばらしい映画とおもった。永遠に忘れることのできない、青春愛、映画愛に満ちた映画。。。秀作です。

岩井俊二の脚本がすごくいい 2007/5/4
By free_se (さいたま市)

 オーソドックスな恋愛映画だけれど、最近見た映画
では1番素敵な恋愛映画と思えます。
 一つ一つがありふれたエピソードなのにいい映画
に思えるのはなぜなのか?
会話も世間の若者がいかにも話していそうに聞こえるのは、
練られた脚本のなせるわざなのか?
 優柔不断な岸田( 市原隼人)がいかにもはがゆく、佐藤あおい(上野樹里)
の切ない胸のうちが表現されていて感情移入できます。
 また、飛行機事故で長女を亡くした一家の悲しみ
もさりげないしぐさですごく伝わるし、
盲目の妹の佐藤かな( 蒼井優)の心情もすごく伝わります。
 脚本の良さは、映画の始めの岸田( 市原隼人)の何気ない伝言電話と
主人公の佐藤あおい(上野樹里)が脚本/監督した「THE END OF THE WORLD」が最後に繋がるあたりでも現れています。
調べてみると中山美穂の主演した「Love Letter」の監督岩井俊二が
脚本ということで納得しました。
 あおい(上野樹里)は、飛行機事故で死ぬことになりますが、
死の瞬間何を思っていたのか、想像できるあたりが
シュールで後味の良い映画になっています。
 恋愛映画は、若い頃、ほとんど見ませんでしたが
最近、その良さが少し分かるようになった気がします。
恋愛は、何より膨大なエネルギーを使い
恋愛が失敗なら会社さえも辞めてしまうなんて
ことも起こりえます。


隠れた名作 2007/6/26
By バウア〜

役者の演技力、何より作品の完成度の高さ!すべが良かったです。あまり話題にならなかった作品ですが、まれに観る良作だと思います。
万人受けする作品では、ないですが邦画の良さの詰まった作品です。

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